テレビと夕食
 昔はどの家庭でもテレビのある部屋で食事をしていました。わが家も例外ではありませんでしたが、子たちはテレビに夢中になりすぎて食事をしません。何度言っても
同じことの繰り返しです。そこでとうとう子たちの夕食はダイニングで、私達はテレビのある部屋でということにしました。

 始めのうちはテレビを見たいために急いで食べていましたが、そのうち子たち同士でおしゃべりしながら食事をするようになりました。それが済むと私たちが晩酌している和室にやってきて一緒にテレビを見ます。その当時はまだ一台しかなかったため、なるべく子たちが好きなお笑い番組をみました。しかし私の好きなプロ野球チームの中継がある時は家内と二人で独占しました。

 初めのうちはぶつぶつ文句言っていたものですが、これだけは絶対譲りませんでした。男の子だったら一緒に見ていたでしょうけど。子たちもそのうち諦めました。いつも自分達の言いなりになるのではなくて我慢させることも必要だと思います。これは私の親父も同じ考えでした。

 そのかわりにレンタルビデオをよく借りてきました。子たちと一緒に見るためです。「ペーパー・ムーン」「オズの魔法使い」「若草物語」喜劇物では「そんなバナナ」「サボテン・ブラザーズ」、エディ・マーフィの「ビバリーヒルズ・コップ」やマイケル・J・フォックスの「バック・ザ・フューチャー」西田敏行の「釣ばか日誌」シリーズ等々、親子で楽しみました。

 もうかなり昔のことですが、ある学者が自宅にはテレビを置いてないと自慢そうに話していました。子供の教育に悪いからという理由からでしたけど、果たしてそうでしょうか。良きにつけ、悪きにつけテレビはもう一人の先生(または親)だと思います。子たちも友だちとのおしゃべりに番組の話題は不可欠だと思うのです。確かにあまりにもひどい内容の番組が多いとは思いますが...これも時間を決めて見るようにすれば良いのです。

 またテレビゲームが流行り始めたのもこの頃だったと思います。目が悪くなるから、勉強しなくなるからダメだとどの家庭も悩んだものでした。わが家では「お父さんの言うことをよく聞いてお利口さんにしますから」と4人の切なる願いに根負けしました。しかし、ひとり15分までという条件付きです。それを破ったら取り上げることにしました。だけどいつも順番待ちのケンカが絶えませんでしたけど。

 実は夢中になっていたのはむしろ私でした。子たちが床に付いてから、ビール片手に遅くまでよくやっていました。おかげで寝不足の日が続いたものです。



早寝早起き
 寝不足で思い出しましたが、子たちの就寝時間は保育園時代が夜8時で、小学校に入ってから9時でした。9時から好きなテレビ番組があっても床に付かせます、そのかわり録画しておいて翌日に見せました。バンドの合同練習も夜8時から9時までで
したから9時半までには床に付くようにしていました。中学生になりますと10時になりました。

 結果的には早寝の早起きの習慣が身に付き規則正しい生活を送るようになりましたが、幼児の頃はまったく逆でした。夜中に双子のどちらかが泣けば片方も泣き出します、するとあとの二人も加わっての大合唱です。いちど泣き始めたら30分は止みません。ミルクをあげたり、おしめを替えたりしますけど、なかなか泣き止みません。明朝は早い時刻に得意先との打ち合わせがあったり、おつき合いゴルフだったり、そういうときにかぎって泣くのです。

 そこで最後の手段は4人を車にのせて真夜中のドライブです。自宅の周りを10分ぐらいかけてゆっくり一周すると、あら不思議、座席ではもう4人ともスヤスヤです。玄関で待機していた家内がひとりづつベッドに運んで、これでやっと私たちも寝れるというわけです。

 この泣き虫双子が高校生になりますと早起きの双子に変身しました。特に由美は冬の時期になると朝5時に起きて、各部屋のストーブを付けて回り、美雅と美砂を叩き起こします。そして部屋が暖まった頃に家内を起こします。それから8時半に家内が私を起こすのです。

 私の学生時代はお袋から叩き起こされても起きなかったのですが、わが家の子たちは親から起こされるのではなく、親を起こしてくれます。いまでも朝早く起きる時は子たちに起こしてくれるよう家内は頼んでいるみたいです。小さい時の良い習慣づけはあとで助かります。


火遊びと夜遊び
 
可愛い子たちを怪我から護るため、しつけの必要性を思い立ったのですが、火遊びは怪我どころか命も落としかねません。じつはこのページを書いている彼岸あけの今朝も新聞に3叔母さんち才と5才の幼子が焼死したとの記事があります。近くにはライターが2〜3個落ちていたそうです。昔もよくマッチで遊ぶこどもが火事を起こし焼死していました。最近はライターにとってかわりましたが、もしお父さんがライターを子たちの手の届かぬところに置いていれば防げた事故です。父親が煙草にライターで火をつけるのをよく見ていて、おそらくマネたんだと思います。

 私はマッチもライターも絶対に触らせないようにしました。マッチをあるいはライターで遊んでいたら血相を変えて怒りました。実際に新聞紙にライターで火を付けてみせ、これから他に燃え移って火事になることも、火事になったら身体も燃えることを教えました。あまりにも厳しくし言っていたものですから、4人とも高校生になるまでマッチとライターを怖がって火をつけることが出来ませんでした。ですからもちろん煙草も吸いません。

 もうひとつ夜遊びにも気を使いました。それに外泊は原則としてダメ、どうしてもという場合はお友だちの名前と家の電話番号を家内に言っておくことを条件にしました。また帰宅時間は6時までとしていましたが、これは子たちに人気のテレビ番組のおかげで口喧しく言わなくてもOKでした。

 これもダメ、あれもダメのしつけだと思われるでしょうが、そうではないのです。はじめにも言いましたとおり、これだけは絶対ダメ、これをやれば怪我したりあるいは命をも落としかねないと判断した時なのです。子たちが自分でものごとの判断ができるまでは親の責任なのです。動物だってわが子が独り立ちするまでは親が面倒見るのですから、そうしないと他の動物の餌食になるのです。

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