9月21日(火)
翌日はそのウッドワーズで、キャシー・キャリックの演奏を聞いた。隣には5月に、福岡公演で知り合ったデル・マッカリー・バンドのジェイスン(f)とロニー(m)がいた。人なつっこいロニーが「元気だったかい?」と話しかけてきた。弟のロビー(bi)はおとなしいけど、ロニーは陽気な人だ。しばらくして、次のバンド、デル・マッカリー・バンドの演奏を聞きながら、という贅沢な夕食をとった。おいしかった。彼等のグループはこのIBMAフェアでも人気があり、会場のいろんな場所で演奏していた。デル・マッカリー・バンドって、ステージにデルバッカリー??? しーん!
9月22日(水)
ジェイスンから「ホテル内でジャムやってるからおいでョ」と誘われたので姉達と行った。ホテル中、あちこちでジャムの輪ができていて、みんな楽しそうに弾きまくっている。ようやくジェイスンを見つけだしてジャムしていると、どんどん人が集まってきた。踊りまくる人や「ウォー・ウォー」とオオカミみたいに吠えまくる人がいて、賑やかで楽しかった。彼はここが地元ということでバリ張り切っていた。元気だねェ!火曜と水曜に次々と新しいバンドが登場するショウケースでグラスイズ・グリーナーの演奏を聞いた。これがすんごいメンバー!デッビト・グリア、リチャード・グリーン、ビル・キース、それにベースの人。
その中に11才のマンドリン弾きが・・・・。その名をクリス・シーリーという。この少年が、「えっ!なに?いま何って?」と言うぐらいうまいんだ。んま、姉達に言わせると「な〜ん、あのマセガキは。ステージでコーラなんか飲んで!」ということらしい。ハッキリ言ってくやしいのだ!この日の夜、ひそかにマンドリンを一生懸命練習している絵美ネェの姿を、私はハッキリと見たのだった。9月23日(木)
ウッドワーズでコックス・ファミリーの演奏を聞き、あつかましくも写真を一緒に撮らしてもらった。そしてウッドワーズ出演者のサインが書かれている壁に私達も、漢字で、しかも大きく書いてきた。それからアワード・ショウを見に行くと、姉達3人は、ななんと!前から3列目のド真ん中の席(席を譲った私は、なんと姉おもいなんだろう・・)周りを見渡すと有名なプレイヤーたちばかりなので、姉達はその席が間違っていないか、自分達のチケットをよ〜く確かめたらしい。
ショウの中でクリス・シーリー達の子供バンドのブリバリうまい演奏を聞いて、思ったことは「やっぱりブルーグラスの本場ばい!」。ホテルに戻ると、20日から毎深夜恒例になったジャム・セッション。私は風邪ぎみだったので寝ていました。美雅ネェにこの夜のジャムの模様を書いてもらいます。
長女の美雅です。「ジャムやっているクリス達の所へ行こう」ということになり、私達3人で楽器片手に行くと、10人ぐらいの子供達がジャムをしていました。バイロン・バーラインが中心となり、アワード・ショウに出演したマンドリンのクリス・シーリー、バンジョーのジョッシュ・ウイリアムス、目の不自由なフィドルの子、子供バンドのメンバーの他に、クリスのバンドメンバーのサラ(f)や15才の男の子(f)などバリうまいのばっかり。日本ではビビッタリしないのだが、ここでは違う。
“Ragtime Annie”とバーロンが声をかけると5〜6人のフィドラーが一斉に弾き出しクリスのドライブの効いたピッキングを経て、次から次へとソロを回す。フィニッシュはフィドラー達が例の転調して戻ってくるやつをきれいに、間違わずに弾きこなしていたのには感動してしまった。
次に弾き始めたのが、“Huckleberry Hornpipe”みんな余裕のあるピッキングだ。しかし隣にいるクリスはずっと下を向いている。「どうしたとかいなァ」と心配していたら、いきなり凄いフレーズを弾き出した。メロディーを崩しに崩したというブレイクだったが、メロディーラインはちゃ〜んと出来ている。これまた凄かった。
日本でのジャムはワルツの曲なんかやらないんだけど、この子供フィドラー達はウットリするくらいの綺麗なボーイングでのワルツだ。ジャムに加わっているのも忘れるくらい酔いしれてしまった。
最後の“Orange Blossom Special”は3段階の速さで弾くのだった。2段階の終わりの頃になるとクリスが「今からもっと速くなるョ」と言って、とんでもない速さで弾くのだ。私達はカッティングしながらついていくのが精一杯だった。
安定したリズム、ブレイク、テクニックなど、プロのミュージシャンに負けないぐらいのものだと思った。私はこのジャム・セッションの模様を日本のキッズ・ピッカーにも見せてあげたいと思った。
9月24日(金)
今日は、絵美ネェちゃんの最良の日だった。念願のマンドリンを買ったのだ。秋元慎さん推薦のランディーウッド!バリ気に入っているみたい。笑みがこぼれっぱなしだった。練習してョ!しかし、この後、絵美ネェちゃんだけ買ってもらったので、4人のケンカがあったことは言うまでもない。昼から、IBMA活動の一環として、UTICA ELEMENTARY SCHOOLという小学校に演奏しに行った。テレビでしか見たことのない黄色のスクールバスで。ななんと!ピーター・ローワンとリチャード・グリーンが一緒にバスに乗り込んでくるではないか。聞いてないよ!三郎さん!
全校生徒が150人足らずのちっちゃな学校だ。相手が子供でも、英語で司会するのは緊張する。おまけに映画用カメラがこちらを向いているのでなおさらだ。
ピーター・ローワンとはオールドタイムの“Cindy”(この曲は知らなかった。バスの中でちょっと練習したけど)を、リチャード・グリーンとは美雅ネェちゃんと二人でフィドル&バンジョーの“Sally Goodin”をやったが、全然ダメだった。美雅ネェちゃんは、緊張のあまり、顔がひきつり、ムリに微笑もうとしていたので間違えてばっかりだった。やっぱ練習だよ。美雅ネェちゃん!
“わらの中の七面鳥”を日本語で歌ったら、笑いがドッときた。曲の途中から転調してアップでバンジョーを弾くとみんな手拍子だ。あれ?手拍子がチグハグだ。でもみんな可愛かった。
今回、父親代わりとして私達に同行してくれた村中、岩藤のおじちゃん達はビデオと写真をいっぱい撮ってくれました。感謝、感謝。だけど、若くてきれいな先生ばかりにカメラが向いていた...?
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